外為 | 2019年05月17日 16:13 JST

〔週間外為見通し〕円「景況悪化・増税延期説」に悩む展開=岡三オンライン・武部氏

 岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト・武部力也氏=「(米中の関税引き上げ応酬に関して)貿易制限措置は基本的にどの国の利益にもならない。引き続き経済情勢など見ていきたい」―。これは14日の麻生財務相発言だ。  ◇米中交渉とドルの関係  14日にNY連銀ウィリアムズ総裁が米国の対中国製品関税引き上げは、物価押し上げ・経済成長の重し、とした可能性を指摘。一方で同日、トランプ大統領は「仮にFRBが今までとってこなかった対抗措置<利下げ>を取れば、わが国の勝ちでゲーム終了」とツイッター投稿。対中国通商協議交渉にFRBをも巻き込み、挙国一致での威圧姿勢をうかがわせている。教科書的には「関税引き上げ≒価格転嫁≒消費者物価上昇」か。この構図から読み取るなら関税引き上げでの物価上昇はドルの価値を毀損(きそん)することにもなり得るので、FRBの金融政策は引き締めとした修正導出事案になる。しかしこれは、トランプ大統領の意に反する対応だ。  ◇景況・増税判断と円の関係  4月26日公表の3月の鉱工業生産は市場予想に反しマイナス。5月13日の内閣府・景気動向指数は基調判断が6年2カ月ぶりに「悪化」と下方修正。これを踏まえ、筆者は二つの国内指標(5月20日週)を注視している。ひとつは1~3月期GDP、そして政府の月例経済報告である。理由は結果いかん(マイナス成長の明確化・政府の景況判断下方修正)で、増税是非の材料になりうるからだ。4月18日に10月の消費税率引き上げについて、自民党の萩生田幹事長代行は7月の日銀短観次第では、延期も視野、との認識を示したが、前出の指標はその前哨戦となるのではないか。日本の経済政策は「選挙を意識した永田町理論」を重用するケースを感じるが、今回の増税是非は過去2回延期された経緯から特に合理的な政治判断が求められるだろう。仮に消費増税延期、としたムードが強まった場合、筆者は円安反応で予想。しかも、「悪い円安」に増幅するリスクもある。理由は、政府要人が内外に対して財政規律を掲げてきた経緯から、延期は「財政弛緩(しかん)・アベノミクスの限界・安倍首相の求心力低下」が問われる可能性があるからだ。特に日本国債の格付け見直しは大量保有の本邦金融機関に対する信用力低下を招き、ジャパン・プレミアムによるドル買いの調達コスト上昇(不本意な円安)、としたシナリオに結び付けられやすい点を留意しておきたい。  ◇5月20日週ドル円焦点  上値焦点は5月17日高値1ドル=110円05銭、5月9日高値110円12日、5月8日高値110円29銭5厘、5月6~7日高値110円86~97銭、日足一目均衡雲帯(110円43銭5厘~111円22銭)、200日線(111円45銭)。下値焦点は5月13~14日安値109円13~14銭、5月13日安値109円01銭5厘。割れたら2月1日安値108円72銭、1月31日安値108円49銭、1月16日安値108円36銭5厘、1月15日安値108円13銭5厘を推考。 【予想レンジ】ドル円:108円70銭~110円90銭(了) [時事通信社]


海外主要市場

市場 限月 現価(ドル) 前日比
NYMEX原油先物 ポイント 55.35 -1.38
NYMEX金先物 8月限 1497.3 +29.9
NYMEXプラチナ先物 10月限 861.9 -1.9
NYMEXガソリン 8月限 1.6675 -0.0255
WTI ・・・ 54.05 +0
シカゴコーン ・・・ 363.25 -5
シカゴ大豆 ・・・ 856 -14
シカゴコーヒー ・・・ 92 -1.5
CRB商品指数 ポイント 0 +0