〔米欧石油市況・詳報〕WTI、カナダでの供給中断が支援=ブレントは続落(6日)
【ニューヨーク・ロイター時事】6日の米欧石油相場はまちまち。カナダでの供給中断が米国産標準油種WTIの支援要因になる一方、サウジアラビアの増産が要因で英国産標準油種北海ブレントは続落した。 WTIの中心限月の清算値は0.86ドル(1.2%)高の1バレル=73.80ドル。英国産標準油種北海ブレントは0.28ドル安の77.11ドルだった。 週間では、WTIは約0.5%、北海ブレントは約3%、それぞれ下落した。 5日に公表された米政府統計によると、WTI受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングの在庫は、カナダにあるシンクルードのオイルサンド(油砂)プラントの停止が響き、約3年半ぶりの低水準に落ち込んだ。 リポー・アソシエーツのアンドリュー・リポー社長は「7月のクッシングの在庫減少で、軽質スイート原油市場が非常に引き締まる傾向は続くだろう」と予想。「カナダのシンクルード(のプラント)停止で(在庫減少が)進み、中西部の供給調達が加速している。この状況は少なくともこの先数週間続き、北海ブレントとWTIの価格差は縮まるだろう」と予想した。 一方、北海ブレントは、サウジやロシアの増産見通しに圧迫された。サウジは石油輸出国機構(OPEC)に対し、先月日量約50万バレル規模で増産したことを表明。8月出荷分の公式販売価格(OSP)を引き下げることも公表した。 この日は米国の雇用統計の内容が市場予想より好調だったこともWTI相場の押し上げ要因になり、米中貿易摩擦の影響を打ち消した。貿易摩擦の石油市場への直接的影響はまだ見られないものの、中国は(米国の追加関税措置を受けて)米国産原油に報復関税を課す可能性を示唆している。 ドイツの金融大手コメルツバンクはリポートで、中国が報復関税を発動した場合、原油の調達先を他の産油国に切り替えると指摘。石油市場が数々の供給中断で需給が既に引き締まっているため、こうした状況になれば北海ブレントは一段高になると予想した。(了) [時事通信社]
- 〔NY天然ガス市況〕反発=週ベースで4週ぶり上昇(15日)
- 〔NY石油〕WTI、4日続伸=3カ月ぶり高値(15日)
- 〔東京石油〕中東産原油、WTI高受け4日続伸=製品は反落(15日)
- 〔週間見通し〕NY原油、米株の値崩れなければレンジ上抜けか=日産証券・菊川氏
- 〔東京石油〕中東産原油、高寄り後もみ合い=製品はまちまち(15日午前)
- 〔東京石油〕中東産原油、WTI高受け4日続伸=ガソリンは追随高(15日朝)
- 〔NY天然ガス市況〕ほぼ横ばい=2年半ぶり安値付近(14日)
- 〔NY石油〕WTI、3日続伸(14日)
- 〔NY石油〕WTI堅調、55ドル台半ば(15日午前)
- 〔NY石油〕WTI、反落(14日午前)
海外主要市場
市場 | 限月 | 現価(ドル) | 前日比 |
---|---|---|---|
NYMEX原油先物 | ポイント | 54.41 | +1.38 |
NYMEX金先物 | 2月限 | 1309.8 | +9 |
NYMEXプラチナ先物 | 3月限 | 787.5 | +17.9 |
NYMEXガソリン | 2月限 | 1.5085 | +0.0657 |
WTI | ・・・ | 55.53 | +0 |
シカゴコーン | ・・・ | 374.75 | +0 |
シカゴ大豆 | ・・・ | 903.5 | +4.25 |
シカゴコーヒー | ・・・ | 97.6 | -0.25 |
CRB商品指数 | ポイント | 0 | +0 |