〔米欧石油市況・詳報〕ブレント、急落=リビアの港湾再開と貿易摩擦で(11日)
【ニューヨーク・ロイター時事】11日の米欧石油市場では、英国産標準油種北海ブレントが急落し、下落率は2年ぶりの大きさとなった。米中貿易摩擦の激化で需要が打撃を受けるリスクが生じたほか、リビアの港湾再開の報を受けて供給増加の見方が強まった。 北海ブレントの中心限月の清算値は、5.46ドル(6.9%)安の1バレル=73.40ドル。下落率は2016年2月9日以来の大きさとなった。 米国産標準油種WTIは3.73ドル(5%)安の70.38ドルだった。 取引序盤、リビア国営石油(NOC)が6月下旬以来閉鎖されていた港湾の再開を発表した後、相場は急落した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計は、原油の取り崩しが約1300万バレルと、2年ぶりの大規模な減少になったが、地合いを反転させるには至らなかった。 メビウス・リスク・グループ(米テキサス州ヒューストン)のジョン・ソーサー副社長は「リビアの報道は引き金に過ぎなかった」とした上で、「きょうの急落で投機筋が大きな損失を被ったのは疑う余地がない」と語った。 売り圧力は、米中貿易摩擦による需要不安によって強まった。2000億ドル相当の中国からの輸入品に関税を上乗せする米国の追加制裁をめぐる不安は、株式相場とともに商品(コモディティー)相場を圧迫した。 中国は米国産原油の最大買い付け国であり、貿易摩擦がエスカレートした場合は報復関税を適用する可能性を示唆している。CMCマーケッツの主任市場ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は「きょうは貿易(摩擦)をめぐる不安が相場に響いた」と述べ、「追加関税が導入されると、世界の成長や需要に打撃が及びかねない」と指摘した。 この日はドル指数が上昇し、ドル建てで取引される商品が割高になったことも原油安の一因になった。米国のインフレ統計が予想以上に力強かったことから、連邦準備制度理事会(FRB)が年内にあと2回利上げを実施するとの見方が強まっている。 アゲイン・キャピタル・マネジメントのパートナー、ジョン・キルダフ氏は、生産余力をめぐる不安が原油相場を押し上げてきた点を踏まえ、「リビアが供給不安を緩和したことで、生産余力に関する見方が変化する」と分析した。(了) [時事通信社]
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海外主要市場
市場 | 限月 | 現価(ドル) | 前日比 |
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NYMEX原油先物 | ポイント | 55.59 | +0.13 |
NYMEX金先物 | 2月限 | 1318.1 | +6.1 |
NYMEXプラチナ先物 | 3月限 | 805.3 | +1.1 |
NYMEXガソリン | 2月限 | 1.5729 | -0.012 |
WTI | ・・・ | 55.53 | +0 |
シカゴコーン | ・・・ | 374.75 | +0.5 |
シカゴ大豆 | ・・・ | 907.5 | +2 |
シカゴコーヒー | ・・・ | 97.95 | +0 |
CRB商品指数 | ポイント | 0 | +0 |